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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*またココから*

 


「付き合おうっか」


 「・・・うん」


 そう言って

 “友達”だった私たちの関係は

 一歩前に進んで

 私と君は初めて手を繋いだんだ。


 君の大きな手から

 君の温もりが伝わってくる。

 ずっごく心地よくて

 だから私も精一杯

 君の大きな手を強く強く握り締めた。



 ココから君と私の

   二人の時間が始まったはずだったのに。。。



 *またココから*



 「別れよう・・・」


 「そうだね」


 付き合い出して半年。

 意外にも早く君は私に別れを告げた。


 私も君を困らせたくないから

 素直にうなずいた。


 原因はわかんない。

 だって君は

 “嫌いになった”とか

 “疲れた”だとか

“他に好きなヒトが出来た”とか・・

 何も言ってくれないんだもん。

 
 でもちょっと 
     そんな予感もしてたんだ。


 周りのカップルを見れば

 毎日たくさんメールして  
 
 休日は幸せそうに手を繋いでデートする。

 左手の薬指にはシルバーリングが光ってて

 幸せそうな二人の笑顔。


 それに比べて私と君なんて

 メールなんて付き合う前よりもへっちゃった。
 

 休日だって 君は部活ばっかりでさ。

 二人の時間っていったら

 駅まで続く一本道。

 付き合う前より会話もなんだかぎこちなくって

 途切れがち。



 私はそれだけでも

 けっこう幸せだったんだけどな。。。

 君といれるだけで幸せだった。

 何も言葉はなくても
 
 君の暖かい大きな手が包み込んでくれるから

 それだけで 幸せだったんだ。。



 でも君は・・・

 そうじゃなかったんだね。



 別れてからこっち

 一人で歩く駅までの一本道。


 君と歩いてる時は

 もっと長ければ良いのにって

 何度もそう思ってたのに

 一人だと長くて長くて・・・つまんなかった。




 ねぇ・・・

 知りたいんだ。

 君が告げた“さよなら”のワケ。

 

 ねぇ・・・

 もう私たち戻れない?


 
 私の中の君へのキモチは

 あの時と何もかわってない。

 むしろあの時・・・

 手を繋いだ時よりも

 もっともっと大きな君へのキモチが

 私の中には溢れてるんだから。




  「よぉ」


 別れてから数ヶ月。

 偶然一緒になった 放課後の下駄箱。

 君が声をかけてくれたんだ。


 「今帰り?」


 「うん。そっちも?」


 なんだかちょっと嬉しくって

 でも恥ずかしくって

 君と目を合わせることも出来ず

 私はそっとうつむいた。


 「久し振りに部活休みでさ」


 駅までの一本道。

 必然的に私は君と久し振りに

 肩を並べて歩いたんだ。


 「久し振りだね、こういうの」

  
 「だな」


 「部活は忙しいの?」


 「あっ、俺、今度の試合レギュラー
   なったんよね」


 「ほんとに?!おめでと~」


 付き合ってた時とは逆に 

 おかしいくらい会話が弾む。


 
 付き合う前もそうだったっけ。


 二人でいると時間なんて

 あっという間に過ぎってちゃって

 二人とも笑いが絶えなくって。

 
 そんな彼との時間が気が付けば

 私の多くを占めてた。


 気が付けば君を好きになってた。

  

 私にとって初めての彼氏。



 友達とは何か違って

 なんだかくすぐったくって

 緊張して ぎこちなくなっちゃって・・・

 気が付けばああなっちゃってた。。。


 「よかった」


 ふと会話が止まって

 君がそうぽつりとつぶやいて微笑んだ。



 「またこうやって
    君が笑ってくれてよかった」

 
 ドキン・・・


 私ね 君のこの笑顔が大好きなんだ。



 「あのね・・・」


 「ん?」


 「私やっぱ・・・君が好き」


 勇気を振り絞ってためこんでた気持ちを

      打ち明けた。



 「ほんとは別れたくなんてなかった。。。
  ほんとは・・・君とずっと一緒にいたかった・・・」



 溢れ出しそうな涙をこらえて

 私は精一杯のキモチを彼にぶつけたの。



 「でも君は・・・違ったんだよね」


 私のその言葉に

 君の足はぴたっと止まり

 苦笑いして私の方を振り返った。



 「・・・俺ら、変だったじゃん?」


 君は照れ臭そうに話だした。


 「“友達”の時は普通に笑ってられたのに
   “恋人”になった途端
   お互いぎこちなくってさ・・
  友達”に戻ったらまたそうやってお前と
  笑ってられんのかなって思って・・・」


 そう言って君は 優しく私を抱き寄せた。


 「ごめん・・・君の気持ち
   ちゃんと聞かなくって・・・」


 全身から君のぬくもりが伝わってきて

 ちょっと早い君の鼓動が聞こえてくる。


 

 二人顔を見合わせて

       くすくす笑ったんだ。



 「今度は・・・大丈夫・・・だよね?」


 そういって

    私は君に手を差し出した。



 「もう・・・はなさないでね?」



 「もちろん」



 私の手を

 君があの時と同じ

 大きな暖かい手で

 つよくつよく

    包み込んでくれる。




     二人でまた

  ここからはじめよ?

       もう離れないように

    つよくつよく

      握り締めた君の手を

   私はもう

       手放さないから。
    
     頼まれたって

   手放したりしてやんないんだから。











お互いのキモチが通じたら
ぎこちなくなってまうのってあるよねぇ。

友達のまんまのほうが
よかったんじゃないのかなって。
友達でいたほうが
気軽におれたのにって。

「付き合う」ってどういうことなのかって
未だによくわからんけど
でも自分の中では付き合うってことは
スキな人が他の人のモノにならないための
繋がりみたいに感じてる。


だって、やっぱスキな人は
自分だけのその人であってほしいやん。






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bbs

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